シノダケ林を手入れする
「シノダケ」とか「シノ」と呼んでいるけれど、ここに生えているのは本当はアズマネザサ(だと思う)。
そう、「笹」なのだ。
てっきり、硬くて背が高く「木」みたいなのが竹で、柔らかくて背が低い「草」っぽいのが笹だと私は思っていたものだから、竹と笹の違いを知って心底驚いた。
その違いは、成長しても棹鞘(かんさや)が残るものが笹、残らないものが竹だそうだ。
幹鞘というのは、竹の棹にくっついている白っぽくてカサカサした皮のようなもの。
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それはさておき。
2021年の秋からずーっと、私はシノダケを切って切って切って、切りまくってきた。
鬱蒼と茂ったシノダケの藪を整備したかったからだ。
シノダケを切り払った場所では、季節になるとタラの芽が収穫でき、サンショウが実をつけ、キツネノカミソリが綺麗な花を咲かせてくれる。
良かった、良かった。
スッキリして、見た目にも綺麗になったし。
お陰で雑木林の恵みにあずかれる。
だけど途中から、本当にこれで良いのだろうかと思い始めた。
気づいたら、シノダケを残すことも考え始めていた。
こんなに一所懸命 切り続けてきたのに、何故かと言えば、伐採作業をするうちに色々と気づき始めてしまったからだ。
この笹藪を棲み家にしている微生物や昆虫も、たくさんいるんじゃなかろうか?
急速に竹やぶ面積が減ったことで、菌や微生物や昆虫・植物などの生態系のバランスが崩れてしまうんじゃないだろうか。
そういうことが気になってしまう。
それに、放置されて密生しているシノダケは、お世辞にも綺麗とは言えないけれど、いったん手入れをするとシノダケ林はとても美しくなる。
なおかつ、シノダケは畑でも重宝する。
野菜の支柱や、冬の霜除けを作るのにシノダケは細くて扱いやすく、とても使い勝手が良い。
役割を終えてそのまま畑で朽ちてしまっても、プラスチック製品と違って環境を汚す恐れもない。
なんとか、このシノダケを管理できないものか。
調べてみても、ネットでは今のところ、「これだ!」と思える情報には出会っていない。
シノダケを庭に植えようとか、シノダケの庭園を作ろうなどという人は、皆無に等しいようだ。
「シノダケ 管理」と検索すれば、悲しいことに「駆除」の方法しか引っかかってこない。
そんなわけで、自己流でシノダケの整理をしている。
密に生えているところを残しながら、人ひとり通れる通路を作るように切っている。
モウソウチクは、傘をさして通れるくらいに竹同士の間隔を空ける、と聞いたことがある。
だけどシノダケはヒョロヒョロと細長いから、1本ずつ間隔を空けてしまうと、なんだか頼りない気がする。
なので株状に密生した状態で残している。
ただし、この密度で良いのかは分からない。
このさき若いシノダケが増えてきた時、どんなふうに世代交代させていけばよいのかも分からない。
静岡県の駿東郡に「富士竹類植物園」というところがあるそうだ。
日本で唯一の竹の植物園であるらしい。
なんと55種類もの竹類が栽培されているという。
行って、竹の密度や株間、そして古い竹と若い竹の割合とかをじっくり観察したい。
開園は木・金・土曜の10:00〜15:00。
うーん、けっこう強気な営業時間設定なのね。(笑)