ブログ,  畑のこと

自然栽培の野菜は腐らない?

2021年9月18日 ジャガイモ 品種はデジマ

「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんの本に書かれていたことだったかな。

肥料を与えずに育てた作物は、放っておくと腐らずに萎びるのだとか。
だから、木村さんのリンゴは腐らないらしい。

それを知った時は「えー本当?まさかねぇ」と思っていたけど、昨年の夏に採って(そのまま存在を忘れて)室温で放置してしまったミニトマトは、なんと腐らずに見事に萎びていた。

そして、今年はジャガイモも。

6月ごろ収穫したデジマを、秋植えの種芋にしようと思ってダンボールに入れて自宅室内にて常温で保管。

ところでこのデジマは、2021年の秋に畑に植えたもの。自然栽培なので肥料は無し。
順調に発芽したものの、芽かきをしたら一斉に枯れてしまってそのまま掘り返しもせず放置していた。
今年、2023年の初夏に様子を見に行ったら、雑草に囲まれながら元気に葉が茂っていたので6月まで待って収穫した。
もはや自然栽培というより完全放置状態で収穫したものである。

今年の夏は最高気温が35度を超える日が何日もあり、クーラーを入れない部屋に置いていたジャガイモの状態が気がかりだった。
8月になって どうなったかなぁと様子を見てみたら、「あー!1個腐ってる」。

1つだけ、完全に傷んでいた。
でも不思議なのは、周りに腐敗が広がっていないこと。
結構キツキツに入れていたから、ジャガイモ同士接していた。
なのに、隣のジャガイモ達は無傷で残っている。

今までの私の常識では、こんなのあり得ないことだ。
周りの芋がグジャグジャにとろけていても何の不思議もない。
だのに、カビらしき白い粉は付着していても他の芋たちはしっかり固くて元気そうだ。

そして腐ったジャガイモを取り出そうとして、またまた驚いた。

恐る恐る取り出してみる


ウッソー?!この芋、腐っていないのである。
皮だけになって完全に干からびている。

裏返してみたら、中身が消えていて ほとんど皮だけになっている。

そういえば以前、知り合いの方からジャガイモをいただいたことがある。
暑い時期に収穫したからなのか、ほんの数日の間にいくつか腐ってしまった。

箱にまとめて入れておいたので、くっついていた他のジャガイモも次々に腐ってドロドロと溶け始めてしまった。
因みにその方は、化成肥料は使わず動物性の堆肥を畑に入れていた。

その時は腐ることも腐敗が広がることも、当たり前の光景として受け入れていた。
けれど、目の前でこんなふうに1つだけ傷んで干からびている芋を見ると、木村秋則さんのリンゴが不思議な世界の特別な出来事ではないのだと、やっと納得する。

肥料を「与える/与えない」で、実際にこんな違いが出るんだなぁと生き物の世界の不思議につくづく感心してしまう。

腐る野菜と腐らない野菜。
それらを食べた時、私たちの腸の中でも、やっぱりその分解過程には違いが現れたりするんだろうか・・・。

Follow me!